関東甲信地方の梅雨明けが宣言されたようです、平年より7日も遅いとか。
いよいよ夏の本格的な暑さの到来でしょうか。
さて梅雨明前の先日、上野の東京芸術大学美術館に、「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ」という展示があり、たくさんの観音様や仏像にお会いしてまいりました。
上野の不忍池は、折りしもハスの真っ盛り
そして美術館に入ると観音さま(十一面観音・聖観音)は、手に手にハス(の主につぼみ)をお持ちになっておられるお姿が多かったように思います。
本展は、主に滋賀県・長浜の仏像が中心ですが、もともと近江は京都から東国への要衝であったため、幾多も戦乱地となったとのこと。
そのため神社仏閣も巻き込まれ、消失という戦禍に遭うことも多かったようです。
そのような中で、村人は堂宇の仏様・観音様を救い出し、田や土中に沈めて守り、そして自分たちの手で大切に護持してきたとのことです。
本展紹介ビデオには、雪の中を歩いて、毎朝仏様にお上げするお仏飯(ぶっぱん)を欠かさない村人の姿やインタビューなども紹介されています。
長浜地方の仏像の展示というだけでなく、村人が戦禍の中でも仏様を大事に守り通し、そして今日に至る。
その姿が展覧会の中心テーマともなっていて、不忍の池に咲くハスは、観音さまのみ手のハスでもあり、仏様を大切に忝敬する村人の合掌の手も またハスのつぼみようだと感じた梅雨明け前の午後でした。
本展は8月7日まで。
不忍のハスもまだまだ見頃は続くのではないでしょうか。
小日向 本法寺サイト担当 白椿(しろつばき)