3.11から5年後の今年 また大きな地震が 今度は熊本地方に起きてしまいました。4月14日と16日の最大震度7以降も余震は続き、6月に入って
からは豪雨も加わり、大変心配です。ただ心配しているだけでなく義援金やまたいち早くボランティアに駆けつけられた方もいらっしゃいますが、言うまでもなくこれからも被災地への関心と支援は継続が必要です。
さて震災直前の熊本のうつくしい風景やお城を記録したフィルムの中には、ご自身が熊本出身の 行定 勲(ゆきさだ いさお)監督が撮られた、映画『うつくしいひと』があります。
ロケ地は清らかな湧き水の菊池渓谷、阿蘇山麓にぼうぼうと広がる草千里や市内の街並み、そして人々の誇りでもある熊本城などです。
元々この映画『うつくしいひと』は、県から熊本をアピールするための映画を作ってほしいとの依頼を受けて監督が制作したもの、それが震災によって、期せずして、震災以前の熊本の姿を記録した映画、という側面が与えられることとなったようです。(チャリティー上映されている
映画『うつくしいひと』のチケットと一緒に渡された監督のメッセージ。)
映画『うつくしいひと』の製作過程を追ったTVドキュメント番組がありその最後に、「監督にとってうつくしいひととは?」と聞かれ、行定監督が語った言葉が忘れられません。
「ぼくにとってうつくしいひととは熊本ということになるでしょう」と。
思うに
誰の胸にも「うつくしいひと」=なつかしい故郷の景色や人々が宿っているのでは?
そしてその「うつくしいひと」が宝物であり、消え失せないでうつくしいまま、ずっとあってほしいと願うのでは?
そして
地震での被災でうしなわれるうつくしいひとと、地震がきっかけではあっても放射能汚染によってうしなわれるうつくしいひととでは、罹災の意味も深刻さも明らかに違うのでは?
「うつくしいひと」を本気で残すことの大切さを考えていかなければと思います。
小日向 本法寺サイト担当 白椿(しろつばき)